50代は「働かないおじさん」になりなさい。精神科医が「まったく気にする必要なし」と言い切る理由50代になって出世街道から離れたなら、もうガムシャラに会社に尽くす意義などない。後ろ指をさされようが、ムダな残業などをしない省エネワークスタイルを貫くのが正解だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

人生100年時代、50代はちょうど折り返し地点といえるでしょう。会社で責任ある仕事をまかされたり、住宅ローンや教育費といった大きな支払いがまだ続いていたり、近い将来、介護でお金や労力がとられることを想定しておく必要があるかもしれず、まだまだ仕事を頑張らなければと思う人も多いはずです。ですが、30年以上も高齢者専門に診てきた和田秀樹さんは、そうした心配は脇に置いて、50代になったら自分の人生を楽しむべきといいます。和田さんの著書『老後に楽しみをとっておくバカ』(青春出版社)から、後悔しない人生を送るための、常識にとらわれない生き方・働き方をご紹介します。

戦略的「働かないおじさん」のすすめ

 最近、ネットなどで「働かないおじさん」がやり玉にあがります。

 働かないおじさんとは、会社で成果をあげられなくなっているのに、ムダに給料だけ高いおじさん世代を揶揄(やゆ)する言葉。仕事をしているふりをしながら、ネットサーフィンにいそしむ生産性の低い人たちで、「老害」代表のように扱われているわけです。

 自分は「働かないおじさん」だと思われたくないと考えている50代の方は多いでしょう。

 しかし、私に言わせればまったく気にする必要なし、です。そもそも若い頃に安い給料で会社に尽くしてきたのですから、今は働きの割に給料が高くても、若い頃に会社に貸したお金を返してもらっているだけなのです。

 むしろ「働かないおじさん」を目指すくらいでちょうどいい。