あと、早稲田の大先輩にあたる、往年の駅伝&マラソンスター・瀬古利彦さんに会えたのは奇跡でした。ぼくが10代のときに早稲田を志望することになったのは、瀬古選手に憧れたのがきっかけです。小学校の卒業文集にも写真のように書いているくらいですが、なんと留年1年目の学園祭(早稲田祭)で運営スタッフに依頼された講演企画がかぶり、控室でお会いしました。「瀬古さんの影響で早稲田の教育学部志望になりました。でも18歳の時に落ちて25年後に入り直しました」と緊張しつつ伝えることができて、感無量でした。瀬古さんには「ぼくも浪人して一般受験で入ってるんだよ、うれしいねえ」と名刺を頂き、すぐに実家の母に「中国語落として留年してよかったわ」と電話したことを覚えています。

小学校の卒業文集同書より転載 拡大画像表示

トレンドに詳しくなり
身だしなみが整う

 第2のメリットは、学力がそれなりに高い20歳前後の若者のトレンドに詳しくなったことです。さすがに毎日25歳ほど年下の学生と一緒にいれば、言葉づかいをはじめ色々と影響を受けます。一限に遅刻した時にふつうに「絶起〔絶望の起床〕」と言っている自分に気づいたときは驚きでした。

 第3のメリットは、どう見られるかや他人の気持ちを気にするようになったことです。簡単にいえば、身だしなみにはかなり気を付けるようになりましたし、その重要性がわかりました。ぼくは学内のどの学部にもスタディサプリの生徒さんがいるので味方のような存在が多く、幸いにもアウェー感を感じたことはありませんが、それでも大学やゼミというコミュニティに社会人学生として所属している人間は少数派。せめて嫌われないようにしよう、という意識は自然と働きます。違う世代の人や違う文化を持った人たちと交わろうというときに、見た目を意識することは大切です。ファッションや身だしなみは「敵ではない」「悪意はない」ことを示す自己表現になりますから。