究極の自己管理術こそ、現代ビジネスの羅針盤

徳川家康が実践した健康管理は、単なる長寿願望ではなく、「天下統一」という壮大なビジョンを成し遂げるための、極めて戦略的な自己投資でした。これを現代に置き換えれば、私たちのキャリアにおける長期目標や困難なプロジェクトの達成に他なりません。

短期的な成果に追われ、心身をすり減らしては、いざという勝負どころで最高のパフォーマンスは発揮できません。家康の姿は、持続的に成果を出し続けるための基盤として、日々のコンディション管理がいかに重要であるかを雄弁に物語っています。

「越境学習」が育む、課題解決能力

さらに注目すべきは、専門外である医学を深く探求したその知的好奇心です。これは、変化の激しい現代市場を勝ち抜くために不可欠な「リスキリング」「越境学習」の精神そのものと言えるでしょう。

自らの専門領域に安住せず、未知の分野の知識を貪欲に吸収することで、多角的な視点と、誰も思いつかなかったような課題解決の糸口が見えてきます。家康が自ら調合した薬で家臣を救ったように、得た知識をチームや組織に還元することで、周囲からの信頼をも勝ち得ることができるのです。

家康に学ぶ「持続可能な成功」の秘訣

目先の利益や評価にとらわれず、自身の心身と知性を常に最高の状態に保つことこれこそが、徳川家康がその生涯をもって示した「持続可能な成功」の秘訣です

変化の激しい時代を勝ち抜き、長期にわたって価値を創造し続けるために、私たちビジネスパーソンもこの「家康流ウェルネス」に学び、自身のキャリアを切り拓いていくべきではないでしょうか。

※本稿は『リーダーは日本史に学べ』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。