悩める親子のイメージ写真入学後に後悔しないためには、どのように受験校を決めればいいのだろうか。写真はイメージです。(Photo:PIXTA)

中学受験のゴールは合格発表の瞬間ではない。中学入学後に、学校になじめず体調を崩したり、精神的に追い込まれてしまう子もいる。入学後に後悔しないためには、どのように 受験校を決めればいいのだろうか。教育ジャーナリストの中曽根陽子さんに、子どもをつぶさない学校選びの方策を聞いた。(文=Diamond WEEKLY事業部 編集チーム)

>>前回の記事「【中学受験】来年2月に後悔しない『受験校』の選び方、偏差値や日程以上に大切なポイントはこれ!」から読む。

合格はゴールじゃない。入学後に控える中学受験最大のリスクとは?

「中学受験が終わり、入学式も終えてようやく一息ついた頃、日に日に子どもの元気がなくなり、登校時間が近づくにつれ顔色が悪くなっていくのが気になります。よくよく話を聞いてみると、膨大な量の宿題や数多くあるテストの結果が振るわないことも重なって、学校に通うこと自体に大きなプレッシャーを感じている様子。この先、どうしたらよいでしょうか?」

 とても心配になってしまう内容ですが、実はこのような相談は毎年のように寄せられています。中学受験のゴールが2月の合格発表ではないことが、お分かりいただけるかと思います。むしろ中学受験の最終ゴールを合格と定めてしまったご家庭ほど、入学後は子どもが燃え尽き症候群に陥ってしまうリスクが高いといえます。

  先のご家庭の場合は、発想が豊かで自由にのびのびと学ぶのが好きなお子さんでした。それなのに偏差値だけで受験校を選んでしまった結果、宿題やテストが多く勉強サポートの手厚い、コツコツ勉強をするタイプに合う学校に入学してしまったため、入学早々に苦しむことになったようです。

「校風」や「学習スタイル」が合わない学校をそうとは知らずに選んでしまうと、入学後に本人が長く苦しむことになり、ときにはプレッシャーにつぶされてしまうこともあるのです。