「毎日を気分良く過ごしたい」「他人に振り回されるのをやめたい」「自己肯定感を高めたい」……そんなあなたにおすすめなのが、日韓累計40万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)だ。本記事では、ライターの小川晶子氏に、「自分にお金をかける方法」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

【貯金ゼロ】「お金の使い方が下手な人」が言いがちなセリフ・ワースト1Photo: Adobe Stock

「これは投資だから」という言い訳

 アパレル企業に勤めていた頃、周りはとにかく服が好きな人だらけだった。

 一つ上の先輩は給料をほぼ全額服につぎ込んでいたし、めちゃくちゃ高いブランド服を無理してでも買うのが普通の職場だった。

 福袋とセールのときしか服を買わなくなったいまでは考えられないことだが、私も20代の頃には給料の額に見合わない高級ブランド服を着ていたのである。

「これは投資だから」

 高額なコートを買うとき、そんな言い訳をしていた。「10年着られるのだから、これは投資なのだ」と。

 確かに長く着ることはできたが、似合わなくなって手放したときにはまったく価値がなかった。

ファッションに「複利」はない?

 ファッションを自己投資だと言う人もいる。

 確かに、見た目の印象を良くすることで良い出会いを呼び込んだり、誰かに好かれたりというリターンがあるのは理解できる。

 服を買うだけで印象を変えられるなら、投資対効果は大きい。

 それに、なにより自分の気分が上がる。好きな服を着ていると気分がいい。ちょっとくらい嫌なことがあっても「まぁいいか、この服を着ているし」と思える。

 そういう意味ではファッションは自己投資になる。

 しかし、服を買えば買うほど効果が上がるわけではない。最初の変化は大きいかもしれないが、給料全額を服につぎ込んで「自己投資」はちょっと無理がある。

「知識」と「経験」こそ
無限の価値がある

 とくに若い頃、何にお金を使うのかは大きな問題だ。

 上手に投資すれば、その後の人生に長く効果を及ぼしてくれる。

 NISAで資産形成もまぁいいだろうが、もっとも効果が高いのは知識や経験、スキルアップにお金を使うことである。知識や経験はあればあるほどいいからだ。

 いま身の回りを見ても、さまざまな経験をしている人、よく本を読んでいる人、学び続けている人の魅力といったらない。なんせ話が面白いのである。

 そういう人を周りが放っておくはずはなく、仕事でも良いポジションについているし、本を出せばその本がよく売れる。

「ブランドバッグ」を売って「本」を買おう

 最高の一日が一生続く106の習慣が紹介されている本、『人生は「気分」が10割』の中には「ブランドバッグを売って、本を買おう」という項目がある。

 ゆっくりと、でも確実に成功する人の特徴の一つして「自分に投資している」ことを挙げている。

 能力が自分の存在を物語ってくれることを知っているので、常に努力をおこたらない。デキる人は誰からも認められ、どこへ行っても歓迎されるからだ。

 このような人は、限られた時間やお金もムダ遣いすることなく自分のために投資する。わかりやすく言えば、ブランド品を買うお金があれば、本やセミナー、コーチング、資格取得などの自己投資につぎ込むといったことだ。
 ――『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(p.257)

 自分に投資している人とそうでない人の差は、若いうちはあまりわからないが、年を重ねるほどに大きくなり、数十年後には圧倒的な差になってしまう。

 ちなみに私も20年近く前にブランド服はすべて売って、本を買った。

 これからも自己投資にはお金を惜しまないつもりだ。

(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)

小川晶子(おがわ・あきこ)
大学卒業後、商社勤務を経てライター、コピーライターとして独立。企業の広告制作に携わる傍ら、多くのビジネス書・自己啓発書等、実用書制作に携わる。自著に『文章上達トレーニング45』(同文館出版)、『オタク偉人伝』(アスコム)、『超こども言いかえ図鑑』(川上徹也氏との共著 Gakken)、『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法』(サンマーク出版)がある。