タンパク質で避けたいのは
液体や粉末のプロテイン
その1つに「アミノ酸プール」という仕組みがあります。体の中に一定量のアミノ酸を溜めておくプールのようなものがあると思ってもらえば良いでしょう。
たとえ一時的に不足したとしても、そのプールに溜められたアミノ酸が再利用できます。だから、基本的にタンパク質が不足することはありません。
もちろん、普段の食事で、肉や魚を1切れ程度食べることで、プールの中のアミノ酸も新しくなります。そういう意味で、日々の食事においてタンパク質を摂ることが推奨されます。
たとえば、豚のモモ肉200グラムには約40グラムの、卵2個には約13グラムのタンパク質が含まれます。朝、目玉焼きやオムレツを、昼と夜に肉や魚のおかずを食べれば、それで軽々70グラムくらいのタンパク質摂取量となります。
タンパク質を分解するときには「尿素」や「窒素」という老廃物が産生され、それらは腎臓でろ過されて体外に排出されます。このとき、産生される老廃物の量が多ければ腎臓に負担がかかります。
もっとも、普段の食事から摂るタンパク質の量ならば、多少、食べすぎても問題ありません。ただし、液体や粉末のプロテインは避けましょう。こうした高濃度のタンパク質は腎臓にかける負担が大きすぎて、いずれ健康を害します。
ベジファーストよりも
タンパク質ファースト
「まず野菜から食べれば(ベジファースト)、食後の血糖値の上昇が抑えられる」と聞いたことはありますか?食べる物は変えずとも、食べる順番を変えるだけで血糖値の変動をコントロールできる取り入れやすさに、実践している人は多いかもしれません。
実際、パンとサラダを食べる場合、サラダから先に食べたほうが、血糖値の上がり方は穏やかになります。これは野菜に含まれる食物繊維の働きが大きいと考えられます。
ただ、このベジファースト理論は、ダイエットに効果的などと拡大解釈されて広まってしまったこともあり、ベジファーストを推奨していた厚生労働省は「日本人の食事摂取基準」を改定し、ベジファーストの項目は削除されてしまいました。
最近は、ベジファーストよりも、肉や魚などタンパク質や脂質を含んだものを先に食べることで、より血糖値の上昇が抑えられることがわかっています。