結局お酒って体に良いの?悪いの?→専門医の答えが的確すぎて納得感しかない写真はイメージです Photo:PIXTA

昼間はエナジードリンクを燃料にバリバリ働き、就業後は自分へのご褒美でビールをガブガブ。こんなルーティーンで気をつけたいのが、知ってのとおり「カフェイン」と「アルコール」だ。過剰摂取が害をもたらすことは想像に難くないが、どれくらいなら問題ないのだろうか。糖尿病専門医の著者が、健康維持に向けた新常識を授ける。※本稿は、牧田善二『すぐに実践したくなる すごく使える栄養学テクニック』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。

アルコールは健康に
良いのか悪いのか?

 アルコールは「健康に良いのか悪いのか」という議論は、ずいぶん昔からなされています。「酒は百薬の長だ」と擁護する人もいるし、「酒は健康を害する毒である」と決めつけている人もいます。いったいどちらを信じれば良いのでしょうか?

 私の結論は、「飲める人は飲みましょう」です。

 お酒を飲むと、血液中のアルコール濃度が上がります。この血中アルコールは、肝臓のアルコール脱水素酵素(ADH)によって「アセトアルデヒド」という中間代謝物質に分解されます。アセトアルデヒドはタバコのニコチンと同じく有害物質で、吐き気や頭痛などの不快症状を引き起こします。

 このアセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)によって分解され、体外に排出されます。このため、ALDHがしっかり働いてくれれば、不快症状は現れません。

 ところが、日本人にはALDHの働きが弱い人が多いのです。

 まったく働かない人が約5%、働きはするけれど弱い人が約40%いるとされています。