
食事の際、最初に口にすべきなのは野菜と信じて「ベジファースト」を実践している人は多いだろう。しかし糖尿病専門医の著者によれば、近年、そんな食の常識が覆されているのだとか。では、何をはじめに口にするのが良いのだろうか?※本稿は、牧田善二『すぐに実践したくなる すごく使える栄養学テクニック』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
脂質を摂っても太らない
むしろ積極的にステーキを食べよう
私たちを太らせるのは脂質ではありません。たとえば、脂身たっぷりのステーキを食べても、その脂身がお腹の脂肪になるわけではないのです。
消化の過程で炭水化物がブドウ糖に分解されるように、脂肪は脂肪酸とグリセリンに分解されます。
脂肪酸は非常に重要な働きをしていて、1人ひとりの体に37兆個もある細胞膜の原料などに使われます。日本人の平均的な脂質摂取量は1日約70グラムといわれていますが、それでは足りないくらいです。
また、糖質は100%吸収されますが、脂質は摂りすぎて余った場合、多くは便に出てしまいます。だから、脂質の摂りすぎは心配不要で、むしろもっと積極的に摂って良いのです。
ただし、細胞膜の原料となるくらい重要なものなので、その「質」が大事です。「おかしな脂質」を摂っていれば、体が細胞から劣化してしまいます。
魚や肉に自然に含まれる脂肪は良いとして、気をつけなければならないのが油脂製品です。私が「おかしな脂質」といったのは、サラダ油やリノール油、マーガリン、ショートニングといった、トランス脂肪酸という悪性の物質を多く含む油です。
これらは一切口にしないほうが良いでしょう。