小売業が激しい競争を繰り広げている中国で、ハーゲンダッツが地元のジェラートチェーン「野人先生」から猛攻を受けている。各店舗で作られる1カップ4ドル(約590円)の野人先生のジェラートは、ハーゲンダッツより安く、米食品大手ゼネラル・ミルズ傘下の同社をこの2年で追い抜いた。米味やケール味などがあり、店舗数は1000店舗近くに増えた。これは景気が冷え込んでいる国の厄介な経済の教訓だが、多くの米国ブランドが理解していない。中国では不動産ブームが去ってデフレに陥り、将来を悲観する人が多い。ただし深刻な不況ではない。この19兆ドル規模の経済圏には、ぜいたくにお金を使える人がまだ数億人いる。小売業界の専門家によると、そうした人にお金を使ってもらうには、高くても価値があると納得させ、足を運び続けてもらえるよう、新商品を絶やさないようにする必要がある。