「大学3年生の子どもが『大企業よりベンチャーに行きたい』と言い出しました。正直、大手に就職してほしいのですが...」
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、新卒でどんな企業に入るのがいいかについて著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

新卒でベンチャー企業に入っていいのか?
もし大学3年生になる子どもが「大企業よりベンチャーに行きたい」と言い出したら、どう感じますか?
正直なところ、「安定している大企業に入ってほしい」と思うのが本音ではないでしょうか。
僕は、新卒就活ではベンチャー企業ではなく、大手企業や中堅企業を狙うべきだと考えています。ここでいうベンチャー企業とは、原則として設立10年未満であり、従業員100名以下の企業を指します。
理由は2つです。
・ベンチャー企業に向いている人よりも、大企業に向いている人の方が多いから
・ベンチャーから大手への転職よりも、大手からベンチャーへの転職の方が簡単だから
ベンチャー企業は、圧倒的に不安定かつすぐに倒産するリスクもあります。また、激務が当たり前という風潮がある会社も少なくありません。
かりに激務が続くと、ほとんどの人は入社後に余裕がなくなります。おそらく想定する何倍もキツイのが、多くのベンチャー企業です。
次に、転職のしやすさという面で考えても、大手からベンチャーへの転職の方が簡単です。よって、まずは大手で働いてみて、合わなければベンチャーに転職すれば良いと思います。
実際に大手に入ってみると、「大手でも普通に大変だな」と感じる人は多いはずですし、休みが充実している企業であれば、空いた時間に休んだり自己研鑽したりできますよね。
ベンチャー企業でも働き方も社風も様々
また一言で「ベンチャー企業」と言っても、その働き方や社風は様々です。急成長中で、社員さんがみんな熱量があり、仕事を通して成長できるベンチャー企業もあれば、会社の業績が伸び悩み、ただ残業が長く、休みが少ないような企業もあります。
後者では、仕事内容は雑用、単純作業であれば、意外と成長できないようなケースも多いです。
僕は「ベンチャー企業」という名前のキラキラ感だけで判断せず、こうした実態があることを就活生に知ってもらいたいと思っています。