膨大なメールを前に、「フォルダ分け」や「ラベル付け」に時間を消耗していないでしょうか。実は、仕事が本当に速い人は、メールを「整理」しません。彼らは、Gmailが持つ最強の武器、「検索機能」を使いこなしているのです。(構成/書籍オンライン編集部)

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使えるGmail仕事術・ベスト1

 Gmailの受信トレイを、どうにかして整理・分類しようと、細かくフォルダ(ラベル)分けをしている人は少なくありません。一見すると、これは理路整然とした、優れた仕事術のように思えます。

 しかし、その「整理」という行為そのものに、多くの時間を費やしてはいないでしょうか。

 そして、いざ過去のメールを探そうとした時、「あのメールは、どのフォルダに入れただろうか?」と、結局迷ってしまう。これは、非常によくある本末転倒な状況です。

 Gmailのベストな仕事術は、「メールは、整理しない」という方法です。

「検索バー」を使えば、問題は解決できます。

「検索」こそが、最高の「整理術」である

 Gmailの検索機能は、単にキーワードで検索するだけの単純なものではありません。

「検索演算子(サーチオペレータ)」と呼ばれる、特殊な命令文を組み合わせることで、数十万通のメールの中からでも、目的の一通を、ピンポイントで釣り上げることが可能です。

 それでは、今日からすぐに使える代表的な演算子を紹介します。これらは、全て半角英数で入力します。

from: (誰から)
特定の相手からのメールだけを絞り込みます。
(例)from:tanaka@xxxxxxxxx.com

has:attachment (添付ファイルの有無)
添付ファイルがあるメールだけを探します。
(例)from:suzuki@xxxxxxxxx.com has:attachment

subject: (件名)
件名に含まれるキーワードで検索します。
(例)subject:議事録

after: / before: (期間)
特定の日付の前後のメールを検索します。
(例)after:2025/08/01 before:2025/08/31

「検索演算子」を組み合わせた具体的な活用例

 これらの演算子を組み合わせることで、検索の精度は飛躍的に高まります。

 例えば、「田中さんから、8月中に届いた、添付ファイル付きの、”月次報告”という件名のメール」を探したい場合、検索バーに以下のように入力します。

from:tanaka@xxxxxxxxx.com subject:月次報告 has:attachment after:2025/08/01

 この方法であれば、目的のメールをピンポイントで見つけることができるでしょう。

なぜ、この方法がベストなのか

 この「検索を前提としたワークフロー」を導入すると、日々のメール処理が劇的に変わります。

 まず、メールをフォルダ分けする必要が一切なくなります。

 処理済みのメールは、とりあえず全て「アーカイブ」するだけ。受信トレイは常に空になり、精神的な負荷が激減します。

 そして、何か過去のメールが必要になった時は、フォルダを一つひとつ開いて探すのではなく、検索バーに、記憶している限りの情報(誰から、いつ頃、どんな件名だったか)を、演算子として入力するだけです。

 これで、メールの管理という作業から解放されて、本来集中すべき、より価値の高い仕事へと向かうことができます。

 大事なのは、受信トレイをいかに美しく整理するかではありません。必要な情報に、いかに速く、確実にアクセスできるかです。

 今日から、メールを「分類する」という習慣を捨てて、「検索する」というやり方に切り替えてみてはどうでしょうか。