ほとんどの人がパソコン仕事で使っている「マウス」。この「マウス」が業務効率を悪くしていると聞いたら驚くだろうか。ベストセラー『脱マウス最速仕事術』の著者・森新氏は、多くの時間のロスを生む”マウス依存”から脱却するメソッドを確立、キーボードだけでほとんどの業務を完結させ「年間120時間の時短」に成功した。書籍のなかには、マウスへの依存度を段階的に減らし、仕事をサクッと終わらせるノウハウが紹介されている。読者から「もっと早くこの方法を知っていたら」という声が続出するほど、実践的なスゴ技が満載。本稿では、本書より一部を抜粋・編集して、「いかにマウスの使用がムダな時間を生み出しているか」を紹介していく。(構成:長沼良和)

脱マウス最速仕事術Photo: Adobe Stock

マウスは隠れた「時間泥棒」

 パソコン仕事では、「マウスがなければ仕事ができない」と思っている人が多いのではないだろうか。

 ところが、操作にマウスを使うほど、業務効率が落ちて労働時間が増えてしまうという。

 『脱マウス最速仕事術』の著者の森氏は、本書の技術を使い「1日5000クリック」から「1日1000クリック」までマウス依存度を下げた。1クリック0.5秒と仮定すると、年間120時間の時短になる。

 それほどまでにマウスは「時間泥棒」だったのだ。パソコンを効率よく使って時短するには「マウス依存度を下げること」が必須なのである。

 別の言い方をすれば、ずっとマウスの上に手を置いている人はそれだけで「仕事が遅い人」だと周りにバレてしまうということだ。

業務改善は自己破壊からはじまる

 「脱マウス」を目指すためには、「自己破壊」が重要である。

 ここでいう「自己破壊」とは、自分自身が今まで行ってきたやり方を見つめ直し、過去の自分を否定することだ。流行りの表現を使えば、「アンラーニング」が必要ということだ。

 これまで慣れ親しんだマウスを使わないようにするには抵抗があるだろう。

 しかし、自己破壊をしなければ、業務の効率化は始まらないのである。

地味な業務改善で可処分時間を生み出す

 脱マウスによる業務改善は個人で完結されるため、人に知られることもないしあまり自慢できるものでもない。

 TOEICのスコアや簿記と違って、資格欄に書けるようなものでもなければ、MBAで学ぶようなかっこいいスキルとも違う。

 しかし、そういう地味で自慢できないことを改善できる人こそが、本当の意味で業務改善できる人だといえる。

 マウス依存度を下げ、業務効率が上がると、可処分時間が増えて心に余裕ができる。

 著者のセミナー参加者の中にも、心に余裕ができたことで、それまで嫌いだった仕事が好きになり、会社や組織、自分自身、そしてお客さんのことをより考えられるようになった人がいるそうだ。

 時間的な余白が生まれ、精神的にも余裕が生まれたのだろう。

 余裕があってこそ初めて、自分や周りの人に対して真剣に向き合える良い循環を生み出せるのだ。

「脱マウス」で心の余裕を持つ

 マウスの依存度を下げて業務改善をするのは、些細なことかもしれない。

 しかし、このように時間的な余白を生んで、心に余裕を作れるのもまた事実。

「マウスを使わない」と意識して数秒の差を積み上げていくと、年間120時間もの時短を実現できる。

 心の余裕は時間の余裕と完全にシンクロする。ぜひ「脱マウス」することで時間の余裕を作り、心の余裕を持って仕事をしてほしい。

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