Yを知る複数の人物に話を聞くことができた。そのうちの1人が、数年前から毎日のように通話していたという女性クミ(仮名)だ。

「好きなバンドが同じで仲良くなりました。『神聖かまってちゃん』です。LINEで話していたときは、『死にたい』とよく私に話してくれたりしていました。醜形恐怖症や躁鬱(そううつ)で外に出られないなどと話していました。

 ただ、見た目は可愛かったし、実際に会ったときは、Yは悩んでいることがわからないくらい陽気さや明るさがありました。急に歌い出したりとかもしていました」

外国出身の母親と
子どもの関係性の難しさ

 Yの悩みはいったい何だったのだろうか。

「醜形恐怖症や躁鬱のほか、家族関係や将来のこと、学校のことで、精神的に参っていました。最近も、1人で自殺未遂をしていました」

 家族の悩みとはどんなものだったのだろうか。

「聞いた話では、母親はアジア系の外国人で、かつ、精神を患っていたということです。精神疾患のためか、Yが小さいころから、母親自身も自殺未遂をしたり、『お前なんか生まなければよかった』など暴言を吐かれていたようでした。家の中の物を投げられたりしていたようです。

 それに、けんかをするときは、母親は外国語なので、何を言われているのかわからなかったそうです。母親は夜の仕事をしていると言っていました。おそらくパブやスナックだと思います。父親に隠れて浮気をしているかもしれないと話していました」

 母親との関係悪化を理由にYは父親に離婚を進言した、という。

「Yは父親に『離婚したほうがいい』と言ったこともあるようです。しかし、父親からは、反応がなかったみたいです。母親のことが好きなので離れられないみたいだとも言っていました。

 基本的に父親は優しいようですが、お酒が入ると、具体的にどうなるのかは聞いていなかったですが、気が大きくなるとか、母親は父親に依存しているというようなことも言っていました」

 母親が実際に浮気していたかどうかはわからない。ただ、パブやスナックで働いていたとなると、営業として電話やLINEをしたり、同伴やアフターなどで食事することもあるだろう。