そのため、客と過ごす時間が多かったことは想像できる。それをYが浮気と誤認した可能性はある。Yと母親は、そのことをきちんと確認できない関係だったのだろうか。

 外国出身の母親とその子どもとの関係性は難しいことが多い。筆者も同種の問題を取材したことがあるが、日本社会と母親の母国との文化的な違いから、関係が良好かどうかわかりにくいケースもある。こうした親子関係への支援は、なかなか行き届かない。

市販薬をODする様子を
ツイキャスで実況中継

 市販薬を飲みながら、自殺配信をするという若者は初めてではない。おそらく、知られている範囲で最初に配信を行ったのは、2013年11月24日に滋賀県で自殺した女子中学生だ。ハンドルネームは「ろろちゃん」。ツイキャスで投身自殺するまでを実況中継していた。以前からネットで活動をしていたため、一部では話題になった。

 中継のときは自殺を止める書き込みもあったが、ろろちゃんは「ごめんなさい。ごめんなさい」と繰り返した。

 バンド・神聖かまってちゃんは、この事件に影響されてか、「るるちゃんの自殺配信」という曲を出しているが、歌詞の中では、スマホの文字以外はろろちゃんの自殺を想起させるものはない。松戸の女子高生たちもこの曲を聴いていた。

 18年7月1日には、奈良県大和郡山市の近鉄橿原線近鉄郡山駅構内で、市内に住む県立高校1年の女子生徒(16)が特急電車にはねられ死亡した。この女子高生はTwitterに自殺の理由をつぶやいていた。また、Instagramでは鎮咳薬Bの写真が掲載されていた。自殺直前に鎮咳薬BのODをしていたと見られている。

 最近の自殺配信で共通するのは、市販薬の過量摂取が関係していることだ。筆者の取材でも、自殺配信だけでなく、類似の自殺、もしくは自殺未遂、自傷行為をしている若年層が増えていることを実感する。

 松戸市で2人の女子高生が自殺したときにも、直前に市販薬や処方薬をアルコール飲料と一緒に飲んだと思われる写真がTwitter にアップされていた。