灘高等学校、灘中学校写真はイメージです Photo:PIXTA

入試の難易度は東大理3に次ぎ、西のスーパーエリートたちが集まる京都大学医学部。これまで合格者数において2位以下をほぼダブルスコアで突き放していた灘高だが、近年は奈良の東大寺学園、京都の洛南の巻き返しが激しい。塾依存度の高まりにつれて、存在意義を問われかねない各進学校の現状を追った。※本稿は、小林哲夫『京大合格高校盛衰史~天才たちは「西」を目指した~』(光文社新書)の一部を抜粋・編集したものです。

東大の理3に次ぐ
難易度の京大医学部

 日本で難易度がもっとも高い大学は東京大理科3類、その次は京都大医学部医学科。模擬試験の偏差値、高校や予備校の上位成績者の進学先、合格体験記からそう結論づけていい。東京大理科3類、京都大医学部について過去の模試データ(合格者平均偏差値など)を見ると、「理3」「京医」の1、2フィニッシュは変わらない。

【1964年】東京大326点、京都大312点、九州大292点(旺文社模試の合格者平均点)
【1984年】東京大80、京都大79、大阪大77、九州大、名古屋大75(進研模試の偏差値)
【2004年】東京大84、京都大83、大阪大82、九州大80(ベネッセ、駿台模試の偏差値)
【2023年】東京大79、京都大78、東京医科歯科大、大阪大74(駿台模試の偏差値)

「京医」の難関さは他学部との比較にも示される。京都大理系学部の最低点は次のとおり(1964年は800点満点。2023年はカッコ内が満点)。

【1964年】医学部647点、理学部629点、工学部(建築系)608点、薬学部565点。
【2023年】医学部医学科935.87点(1250点)、理学部795.75点(1200点)、農学部679.7点(1050点)、工学部建築学科948.0点(1000点)、薬学部628.58点(950点)。

 灘は1967年から、甲陽学院は69年から、東大寺学園は74年から、洛南は91年から京医合格が続いている。洛星は62年から2021年まで続いたが、2022年の合格者は0人だった。

図表:京大医学部合格高校累計1984-2023同書より転載 拡大画像表示