「貢献」を要求するための問い
今、うちのチームに足りないものはこれかもしれない。
佐々木だけが結果を出し、周りが委縮している状況。
もしも佐々木が「貢献」の視点を手に入れたらどうなる?
いや、佐々木だけでなくメンバー全員が「貢献」の視点を手に入れたら……。
「成果をあげるには、自らの果たすべき貢献を考えなければならない。手元の仕事から顔を上げ目標に目を向ける。組織の成果に影響を与える貢献は何かを問う。そして責任を中心に据える」
――うちのチームが一皮むけるチャンスかもしれない。
この章には上司が部下に貢献を要求するために聞く問いが書かれていた。
・組織および上司である私は、あなたに対しどのような貢献の責任を期待すべきか
・あなたに期待すべきことは何か
・あなたの知識や能力を最もよく活用できる道は何か
――さっそくこれを佐々木に聞いてみよう。いや、メンバー全員に聞いてみよう。自分自身にも問いかけよう。これによって、皆が果たすべき貢献を考えることになるのだ。
「果たすべき貢献を考えることによって、横へのコミュニケーションが可能となり、その結果チームワークが可能となる」
赤坂課長には、新しいチームの姿が見えてきたようだった。
――そうだ、確か……。
赤坂課長はふと思い出して『非営利組織の経営』を開くと、この言葉を見つけた。
「チームの目的は、メンバーの強みをフルに発揮させ、弱みを意味のないものにすることである。こうして一人ひとりが力を発揮する。大事なことは一人ひとりの強みを共同の働きに結びつけることである」
チームの中で一人が突出すること自体は悪いことではない。
だが、その強みを共同の働きに結びつけなければ、成果は続かない。
大事なのは、一人の強みを組織の成果へと結びつける設計をすることなのだ。
赤坂課長はさっそくノートを開いて新しいタスクを書き込んだ。
強みと貢献を結びつける
佐々木のような「成果を出すが、チームを疲弊させる人材」は、どの組織にも存在するかもしれません。
ドラッカーの示す解決策はシンプルです。
弱みを矯正するのではなく、強みを生かし、貢献という軸で再設計すること。
そのとき初めて、個人の成果が組織の成果に結びつき、チームが本来の力を発揮できるのです。
あなたの組織には、今まさに“強みと貢献を結びつける”視点が必要な場面はありませんか。
◆こんなお悩みを抱えていませんか
上司や部下、会社の仲間などの言動にもやもやしている
自分の良さを生かせず悩んでいる
理不尽なことばかり言われているような気がする
会議ばかりの日々にうんざり
仕事の生産性が上がらない
職場は時間泥棒だらけ
「それぞれのドラッカー」という言葉があります。
「ドラッカーはうちの会社のことを描いているみたいだ!」と驚嘆する人もいます。
お悩みを抱えてドラッカーを読む方がそこに解決策を見出すことができるのは、その原理の汎用性と普遍性によるものかと思います。
たとえば、「職場は時間泥棒だらけ」と嘆くAさんはドラッカーのいう組織で働く者を取り巻く四つの現実を知ることで、具体的にどんな時間管理をしていけばよいか判断でき、格段に自分の時間を作ることができるようになりました。
ドラッカーのマネジメントの原理を知ることで心のモヤモヤが晴れたり、解決策が見出せたりといった効果が期待できます。
このセミナーは、9月9日発売の新刊『かの光源氏がドラッカーをお読みになり、マネジメントをなさったら』を題材に、著者と一緒に「源氏物語」と「ドラッカー」の交差点を探るセミナーです。
物語の主人公・東堂久志が、平安の世界で光源氏たちとドラッカー読書会を開く――というユニークな物語を入り口に、ドラッカー経営学の古典『現代の経営』を紐解いていきます。
このセミナーでは、著者自身が作品の背景や執筆のエピソードを交えながら、『現代の経営』をテキストとしてドラッカーマネジメントのエッセンスを紹介します。
特に今回は「凡人を非凡にする組織文化」や「自分ならではの資質を生かす」というテーマを中心に、参加者の皆さんと対話しながら読み解きを深めます。
◻︎参加特典
自分の強みを知るための「7色の強み診断」チェック表(簡易版PDF)をもれなくプレゼント!
◻︎日時
2025年10月18日(土)20:00~21:30(予定)
◻︎参加費
1,500円(税込)
志喜彩会会員は無料
志喜彩会に関してはこちらをご参照ください。
◻︎定員
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◻︎使用テキスト
『かの光源氏がドラッカーをお読みになり、マネジメントをなさったら』吉田麻子
▶︎全国書店、Amazon、楽天ブックスなどでご購入いただけます
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(事前に必携ではありませんが、手元にある方はぜひご持参ください)
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◻︎参加方法
当日のZoomにてお待ちしております。
講座は録画アーカイブを後日配布いたしますので、当日参加できない方も安心してお申し込みいただけます。
◻︎主催
株式会社カラーディア
代表取締役/著者 吉田麻子
著書に『かの光源氏がドラッカーをお読みになり、マネジメントをなさったら』『人生を変えるドラッカー』(ダイヤモンド社)、『実践する色彩学』『7色のすごいチカラ!』『虹の魔法のものがたり』(エイチエス)など。全国での講演や講座、読書会を通じて、色彩とマネジメントを融合した独自の活動を展開している。
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