“セカンドオピニオン”を依頼する際のポイント

 そうは言っても、塾に相談するだけでは不安だという方。補足として、併願校決めの“セカンドオピニオン”をお願いする時のポイントを3点お伝えします。

(1)お子さんのことを知らない人には任せない。
(2)「全教科」に精通していない人には任せない。
(3)「頑張りましょう!」などと耳障りの良い言葉だけの人には任せない。

 特に、(3)は要注意です。通っている塾より、うちの子のことを応援してくれる親身で、熱心な先生だと思いがちですが、きちんとチャンスとリスクをロジカルに説明できない人の話は聞くに値しません。また、こうした声を信じすぎて、相対的にお通いの塾への信頼度が下がると子どもの授業の集中度などにも影響が出てしまいます。

「全落ち」を防ぐためにできる3つのこと

 ご家庭が納得づくの上で「チャレンジ」をして、その結果、公立中学に進学するのであれば、私は全く問題ないと思います。中学入試の学習を最後までやり続けた経験は決して無駄にはならないからです。

 ここでいう全落ちとは、「想定していなかった受験結果に振り回されて、不本意な結果となった」という意味です。特に入試2日目以降の難度については、予想が大変難しくなっています。当日出願が可能なため、思わぬ人数が集まり、予想以上の倍率となることがあります。

 さらに複数の学校の動向が影響し合うため、受け入れ側の学校でも完璧に予想することはできません。

 全落ちを防ぐためにできることは、3つあります。

(1)本人の成績が下振れした時の成績を把握しておく。
(2)志望校の難度が上振れした時の偏差値を分析しておく(最終日程以外であれば、大きく上がっても、偏差値換算で3〜5ポイントの上昇くらいで収まることがほとんど)。
(3)本人の下振れの時と、学校の上振れの範囲で、安全校となる学校を決める

 というのが考え方として重要です。もちろんこれで100%大丈夫かというとそうではありませんが、考え方として持っているかどうかは大きいでしょう。

 当日風邪を引いたら、交通機関が麻痺したら、というリスクまで考えると「絶対」というのはありませんので、そこは覚悟を決める方に舵を切るのが健全だと思います。