米連邦準備制度理事会(FRB)は3日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、米国経済はこの夏、安定を維持した一方、物価上昇と雇用機会の減少に直面する消費者にとって厳しいものとなっていると報告した。ベージュブックによると、賃金上昇が物価上昇に追いつかず、消費者の財布のひもが堅くなっていると多くの企業が報告している。消費者支出の減少と買い控えが見られた。小売店や宿泊業者は値引きを増やし、自動車関連企業では古い車の修理を求める人が増えた。労働市場では解雇の大幅な増加は見られなかったものの、企業は先行き不透明感から人員増に消極的な姿勢を示した。また、関税などの影響により、全米的に企業の投入コストは上昇している。だが消費低迷の中、企業がこうしたコスト増を価格に転嫁することは難しく、利益率が圧迫されている。