「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

「会社に行くのが嫌です。でも行かないのもダサいから行ってます。休みも仕事のこと考えちゃいます」そんな“言いづらい悩み”を言語化してみたPhoto: Adobe Stock

「通知」の波が鳴り止まない

 深夜の会議。鳴りやまないスマホ。週末の通知の波に、また息を呑(の)む。

 成果を出すたびに、責任も増えていく。
 昇進すれば、業務は軽くなると思っていたが、実際はその逆だった。家に帰っても、ただ眠るだけ。休日は“再起動のためのバッテリー”と化し、「自分の時間」は、どこを探しても見当たらない。

 問題は、「仕事が終わらないこと」ではない。
 人生そのものが、“終わりなき処理作業”にすり替わっていることだ。

 メールの未読が70件を超えていた。でも返す気力が湧かない。ただただ、画面を眺めていた――それが、“壊れ始め”のサインだった。

期待と距離を取り、「立ち止まる」力

 この悪魔のループを断ち切る鍵は、環境ではなく、「“期待”との距離の取り方」にある。
 止まることは、甘えでも、逃げでもない。
 それは、全力で走り続けた人にしか芽生えない強さだ。

 今発揮すべきなのは、タスクを処理する能力ではない。
「どう働くか」を、自ら選び直す「立ち止まる力」だ。

 30分。通知を切り、スマホを伏せよう。そして、“何のためでもない時間”――会社のためでも、他人のためでもない時間。極論、「自分のためでもない時間」を確保してみてほしい。

 仕事でも、休息でも、自己投資でもなくていい。ただ、止まっているときの感覚を取り戻すための、ささやかな余白。それこそが、あなただけの働き方を取り戻すための、最初の小さな一歩になる。

 そのうえで必要なのは、確かな「自分だけのブレない強み」。
 これこそが、これからの時代を生き抜く武器「唯一無二性」である。

(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)