ウクライナの首都キーウの中央広場を通り過ぎたときだった。ウクライナの人気作家アンドレイ・クルコフ氏は、かつて公衆トイレがあった場所にクラゲの水族館をみつけた。クルコフ氏は幻覚を見ているわけではなかった。高さ約61メートルの独立記念碑がそびえ立つウクライナの一等地にあったのは、同国初のクラゲ専門水族館だった。「突拍子もない冗談だと思った」。「ペンギンの憂鬱(ゆううつ)」などシュールレアリスム(超現実主義)を感じさせる小説を書くクルコフ氏は、数年前に「クラゲ・ミュージアム」を見つけたときのことをそう話した。世界は奇妙なミュージアムだらけだ。米国にはマスタードや葬儀、ジャガイモにそれぞれ特化した博物館がある。ただリンカーン記念堂に隣接しているものはない。
ウクライナのクラゲ水族館、戦時下の癒やしに
首都キーウの中心にある「クラゲ・ミュージアム」は今では広く受け入れられている
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