部下に一流を求めるなら
上司も一流を目指し続けるべき

週末経営塾写真はイメージです Photo:PIXTA

 ここで経営者や上司に求められるのは、部下に「将来どうなりたいのか」を問いかけ、その思いを引き出し、後押しすることです。

 もし会社全体が「一人前で十分」という雰囲気なら、意欲ある人材ほど「ここでは成長できない」と外に出ていってしまうでしょう。それは組織の競争力を失うことにもつながります。

 したがって、社員一人一人が「最高の自分」を目指して切磋琢磨できる環境をつくることが、会社にとって極めて重要です。その雰囲気を形づくるのは、やはり経営者や管理職の姿勢です。

 上に立つ人がのんびり構えたり、小手先でごまかしたりしている会社では、部下も成長を止めてしまいます。逆に、上が本気で努力していれば、その姿勢は必ず下に伝わり、組織は自然と前に進みます。

 忘れてはいけないのは、上司自身も「一人前で満足しない」ということです。

 指導する側が挑戦をやめてしまえば、部下に「一流を目指せ」と言っても説得力はありません。むしろ上司が自ら学び続け、変化を恐れず挑戦している姿を示すことこそが、最大の教育効果を持ちます。上司が背中を見せるのです。

 つまり、部下を一流に育てたいなら、まず自分自身が一流を目指し続ける存在でなければならないのです。

 新卒社員が半年を迎える今は、「一人前」に安住するか、「一流」を目指すかの分岐点です。そのとき、経営者や上司がどんな声をかけ、どんな背中を見せるかが、会社の未来を決めるのです。