「ちょっと臭う…」新幹線の座席の隙間から後ろのおじさんの足!注意する?我慢する?【大人の2択】Photo:PIXTA

大人の毎日は「選択」の連続です。ピンチをチャンスに変えるには、どうすればいいのか。高い評価や人望や信頼をたくさん得られるのは、どっちの選択肢か。微妙な状況への立ち向かい方を通じて、より大きな幸せをつかめる「トク」な道を探りましょう。(コラムニスト 石原壮一郎)

<今回の2択>

出張の帰りに乗った新幹線。窓際の席に座っていたら、後ろの席のおじさんが靴を脱いで、窓と座席のあいだに足を伸ばしてきた。こっちの席に足がはみ出ているわけではないが、隙間から靴下が見える。そして、ちょっと臭い。

指定席だし、そもそも車内は満席で場所を移るわけにもいかない。おじさんに注意するか、黙って耐えるか。さて、どっちが「トク」か?

<選択のポイント>

 新幹線には、思いがけない悲劇が待ち構えています。その中でも、これはかなり深刻なシチュエーションと言えるでしょう。おじさんの足がはみ出てはいないのが、また悩ましいところ。しかし、靴下にしみ込んだあの独特の臭気が容赦なく漂ってきます。

「すみません。この足はちょっと……」と注意して、すんなりと「あ、ごめんなさい」と引っ込めてくれたら、何の問題もありません。しかし「何がいけないんだ!」と言い返されるなど残念な反応をされたらと考えると、行動を起こすのをためらってしまいます。
 
 かといって、乗っている数時間をおじさんの足の臭気に包まれながら過ごすのは、かなりの苦行。車掌さんに注意してもらう手もありますが、誰が“告げ口”したかは丸わかりなので、逆恨みして背もたれを蹴るなどの“仕返し”をしてくるかもしれません。

 ここは、上のような丁寧な口調で「足を引っ込めてほしい」という気持ちを伝えるのが、もっともトクな対応と言えるでしょう。

 素直に引っ込めてもらえたら平和な環境とともに大きな達成感を得られるし、仮に不愉快な反応をされても、臭いにイライラしながら座り続けるよりはマシです。ボールペンなどで足の裏をコチョコチョしてみるのも一興ですけど、さらに大きな勇気が必要だし、そのボールペンはもう使えなくなりますね。

石原壮一郎・コラムニストのプロフィール