「せっかく“いい会社”のはずなのに、毎日ぜんぜん楽しくない…」
あなたは今の職場で、「うまく言葉にならない“悩み”」を感じたことはないだろうか。「この会社で一生働くなんて無理…」「でも、他に“やりたいこと”もない…」「だから、しぶしぶ働いている…」そんな日々に「このままでいいのか?」と不安になったことも、一度ではないはず。
こんな“うまく言葉にできないモヤモヤ”を「見事に“言語化”してくれた!!」と話題なのが、新刊『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』だ。各所から共感が殺到している本書の内容に沿って、今回は「キャリアのモヤモヤ」の正体について解説する。

「今さら辞められない」は、“優秀さゆえの殻”
真面目に努力を積み重ねてきた人ほど、これまでの経験が“殻”になりやすい。
立派な肩書き、強い実績があればあるほど、サンクコスト(埋没費用)の罠は忍び寄ってくる。
過去の蓄積から「降りること」が、つい、“敗北”に見えてしまうのだ。
けれど、問題なのは「レールを外れること」そのものではない。
「レールを降りたあと、自分は何者として生きていけるのか?」という問いに、答えられないような気がしてしまう、ままならない気持ちのほうだ。
「一体自分は、何のために存在しているんだろう」
「自分は、◯◯社の◯◯という肩書き以外に、どんな輪郭を持っているのか?」
その問いは、「キャリアの選択」の顔を装って、あなたの人生にゆっくりと迫ってくる。
「このままでいいのか?」は未来からのSOS
環境が安定していればいるほど、人は変化の必要性を見失っていく。
だが、“内なる違和感”は消え去るわけではない。「このままでいいのか?」という問いは、いつも気を抜いたときにふと浮かぶ。
しかしそれは、あなたのこれまでを否定する声ではない。
その正体は――
未来の自分が、今の自分に向けて送ってくる、微(かす)かなSOSだ。
「守ること」自体が悪なのではない。だが、守ることしか選べなくなったとき、人は内側から、少しずつ鈍っていく。
“過去を守るために、未来を閉じている”。これがサンクコスト型・ハイスペックキャリア迷子の本質だ。
(本記事は『「いい会社」のはずなのに、今日もモヤモヤ働いてる』の一部を編集・加筆・調整した原稿です)