米画像処理半導体(GPU)大手エヌビディアは2年前の5月の四半期決算で、売上高が110億ドル(現在のレートで約1兆6200億円)になるとの見通しを示して世界を驚嘆させた。これはアナリスト予想を53%も上回る水準だった。その後は大幅な増収増益が続いた。だが、胸が躍るような四半期決算が近いうちに再び起きる可能性は低い。エヌビディアの5-7月期(第2四半期)決算は減速が鮮明だった。売上高はアナリスト予想を上回ったものの、上振れ幅は人工知能(AI)ブームで同社の存在感がかつてないほど高まってからの9四半期で最も小幅だった。決算発表後、同社の株価は約6%下落した。成長鈍化の要因の一つは明らかだ。大数の法則によれば、規模が大きくなればなるほど、それまでと同じ急ピッチでの成長を続けるのは難しくなる。