求職者側のデメリットとしては、短期離職になってしまうことや、一部の求人では「社会人経験2年以上」などの応募要件が設けられているものが存在するなど、応募できる案件が限られてしまうことがある。

 採用企業側のデメリットとしては、採用しても1年、2年で辞めてしまうリスクをはらんでいる。

 ただ、学生時代にスポーツを大学まで10年間続けているなど特筆すべきアピールポイントがある場合は、短期離職の懸念について多少の払拭は可能だ。

「活躍」という観点においては、先述の“ポテンシャル”の要素が大きくなる。そのため、これまでのビジネスでの実績よりも、仕事に向き合う姿勢や学生時代の経験も評価対象になる。

 わかりやすく言うと、新卒の就職活動はポテンシャル100%で見られ、年次を重ねるごとにポテンシャル要素は減っていき、実績や業務の親和性が重視されるということである。

【4年目~6年目】
実績に論理性があれば、キャリアチェンジも可

 このフェーズではポテンシャル50%程度、実績や業務の親和性が50%程度の温度感で評価されるようになる。3年目までの懸念である「定着」に関しての懸念については新卒から1社経験であればほとんど懸念なしと言っても過言ではない。

 活躍の観点で言うと、3年目までと比べて現職での実績や実績を出すためのプロセスの言語化が明確に求められるようになってくる。業務内容や業界、カウンターパートに親和性があればなお良しだが、そうでなくとも実績や実績の出し方に論理性があればキャリアチェンジは可能なフェーズであると言える。

 まとめると、「定着」に関しては求職者側にデメリットはほとんどない。強いてあげるとするならば、1社目での経験が長い分、業務のスピード感やその企業独自のやり方が染み付いてしまっているので、新しい環境で活躍できるか、転職後に能動的にキャッチアップ可能かどうかは慎重に見極めなければならない。

「活躍」の観点に関しては、とにかく数で勝負する、最後まで諦めないというような気合い根性論ではなく、結果の出し方を論理的に言語化し、日常の業務から再現性のある取り組みができていると転職後もその”考え方”を武器に十分に活躍は見込めるといえる。