米連邦準備制度理事会(FRB)のクリストファー・ウォラー理事は、雇用市場が持ちこたえているように見えた7月、民間部門の雇用が「失速寸前で赤信号が点滅している」と公然と警告した。あるFRB高官は同氏を軽く皮肉った。「いいかげんにしないか、クリス。君はもっと優秀なエコノミストだろう」。失業率は4.1%程度で安定しており、労働市場は良好に見えた。2週間後、FRBは政策金利の据え置きを決めたが、ウォラー氏は利下げに賛成票を投じた。その2日後に発表された7月の雇用統計は弱い結果となり、率直な物言いで知られるウォラー氏の見方を裏付けた。先週発表された8月の雇用統計は、同氏の仮説の正しさをさらに証明する内容だった。