佐藤優 知を磨く読書参政党代表の神谷宗幣氏 Photo:JIJI

最前線で働くビジネスパーソンが押さえておきたい、時代の変化とその背景を理解するうえで欠かせない注目書籍とは? 連載『佐藤優 知を磨く読書』では、作家で元外交官の佐藤優さんが厳選し、さらに要点を分かりやすく解説する。ダイヤモンド・オンライン掲載の第1回は、「安倍晋三氏のトランプ米大統領との関わり方の是非」「数学が不得手な生徒へのNG声かけ」「参政党躍進の正体」について3冊を紹介、「ここだけは読んでほしい重要な箇所」を抜粋して紹介する。(作家・元外務省主任分析官 佐藤 優)

首脳間の個人的関係に
依存する外交は危険なのか?

 梶原麻衣子著『安倍晋三 ドナルド・トランプ交友録』は、安倍晋三氏の外交観を解明した好著だ。

書影梶原麻衣子著『安倍晋三 ドナルド・トランプ交友録』星海社新書、2025年12月刊行梶原麻衣子著『安倍晋三 ドナルド・トランプ交友録』星海社新書、2025年12月刊行

〈なぜ安倍はそこまでして、トランプとの個人的な友好関係を築き、アピールしたのだろうか。もちろん、日米安保体制の下にある日本で、アメリカとの関係性は死活的に重要ではある。だがジョージ・ソロスでなくとも「あのトランプとそんなに仲良くして、大丈夫?」という疑問を抱く人は少なくない〉(79ページ)と梶原氏は指摘する。

 確かに、首脳間の個人的関係に依存する外交は危険だと指摘する国際政治学者もいる。しかし、こういう学者は、国際政治の現実を知らない中途半端な専門家だ。国家元首は、国益を人格的に体現する存在だ。

〈メディアは二人の個人的関係にばかり焦点を当てたが、でもトランプとの関係は、当然ながら日本とアメリカとの関係とほぼイコールだということだ〉(81ページ)という梶原氏の見方は正しい。安倍氏がロシアのプーチン大統領との個人的関係を重視したのも、それが日本の国益にかなうからだった。