中国の外交官らは2カ月にわたり、習近平中国国家主席の外交的勝利となるドナルド・トランプ米大統領の訪中実現を目指して米政権に働きかけてきた。事情に詳しい関係者が明らかにした。関係者によると、米政権側は明確な要求を突き付けている。貿易から人気動画投稿アプリのTikTok（ティックトック）に至るまで、中国政府からの具体的な譲歩、いわゆる「成果」を求めているという。これまでのところ、中国はほとんど譲歩していない。マドリードで開かれる重要な貿易協議で、中国政府が最終的に譲歩するのか、それとも最小限の譲歩で大統領訪問を実現しようとする慎重な戦略を続けるのかが明らかになる。14日に始まったスコット・ベッセント米財務長官と中国の何立峰副首相の協議の中心となるのは、米国での事業継続が危ぶまれるTikTokの運命だ。TikTokは、中国の親会社である字節跳動（バイトダンス）に対して支配株式を売却するよう求める米議会の命令を満たす取引を17日までに確保する必要がある。トランプ氏は今年、同様の期限を設定し、3回延長している。