欧州各国はこれまで、ドナルド・トランプ米大統領にロシアへの制裁強化を求めてきた。だがトランプ氏が欧州に対し、ロシア産原油の購入停止、インドや中国への関税賦課を要求したことで立場が逆転した。欧州首脳は、こうした状況にどう対応するか苦慮している。外交筋によれば、欧州各国の政府は今週、制裁強化の方法を改めて検討するため、準備していた新たな対ロシア制裁パッケージを延期。16日にトランプ氏と会談した欧州委員会(EC)のウルズラ・フォンデアライエン委員長は、新たな制裁案ではロシアの銀行部門に追加規制を課し、暗号資産(仮想通貨)市場とエネルギー部門も制裁対象とすると述べた。一方で事情に詳しい関係者らによれば、トランプ氏はロシアのウクライナ侵攻開始以降にベルギーで凍結されたロシア資産を活用するよう欧州首脳に求めている。トランプ政権の複数の当局者も、こうした資産を活用するよう欧州連合(EU)に公に要求している。
トランプ氏と欧州、ロシア制裁方法めぐり対立
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