「せっかく、浪人するなら...」は危険
――よく理解できました。逆に一浪してでも早慶を目指したほうがいいのはどんな人ですか?
びーやま:これは明確で、「理屈じゃなくてどうしても早慶に行きたい人」です。私立の中では早慶って特別な大学だと思うのですが、受験生のなかにも、旧帝大と同じような感じで毎年早慶熱狂的なファンがいるんですよね。「どうしても早稲田に行きたいんです!」「慶應じゃなきゃ行きたくありません!」みたいな。
こういった人は、もう早慶じゃないと満足できないわけですから、浪人するのがいいと思います。その熱意をさらに1年燃やすことができれば、勉強も捗り、合格が一気に近づくでしょう。
――逆に、やめたほうがいいケースもあったら教えてください。
びーやま:せっかく浪人するならと、早慶に志望校を上げるケースです。これはあまりおすすめしません。
もちろん、志望校を上げること自体は問題ないのですが、その理由が「せっかく浪人するなら」というのは少し危険です。
志望校を上げると、難易度も対策もガラッと変わってきて、勉強が大変になるのですが、早慶を目指す理由が希薄だとどこかでストレスのほうが強くなって踏ん張れなくなるんですよね。「まぁやっぱり大変だしいいや」と。
それだったら最初からMARCHをはじめとするほかの大学の対策を徹底していたほうがよかったわけで、限られた時間の使い方としてはよろしくないなと感じます。
ですので、志望校を早慶に上げる場合は、ちゃんと強い気持ちを持ってほしいです。よく「浪人するなら早慶以上じゃないと」みたいなことを言う人がいるんですが、そんなことはありません。それは変な思い込みです。
浪人時の「やってやろう!」という気持ちは非常に大事ですが、それと同じくらい冷静な判断も大事です。
両方が噛み合わないといい結果にはつながりませんから、ぜひこの2つを意識してほしいと思います。
――ありがとうございます。大変勉強になりました。
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。
高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。