現代美術家の奈良美智現代美術家の奈良美智 Photo:SANKEI

「世界で最も影響力のある100人」に
選ばれた現代美術家の奈良美智

 津軽家10万石が領する城下町だった青森県弘前市。弘前高校は青森県で初めての公立中学校として設立され、140年余の伝統を誇る。略称は「弘高(ひろこう)」だ。

 現代美術家の奈良美智(よしとも)が人気だ。にらむような目をした少女や動物を、一見するとシンプルで漫画のようなスタイルで描くことで知られる画家だ。ドローイング・アクリル絵具による絵画が得意だ。2025年4月、米国の雑誌「タイム」は、「世界で最も影響力のある100人」の一人として奈良を選出した。

 奈良は1959年生まれの弘前高校OBだ。愛知県立芸術大・美術科油画専攻の大学院修了で、ドイツ国立デュッセルドルフ芸術アカデミーに留学し、修業した。1990年代後半から国際的な評価が高まり、ニューヨーク近代美術館やロサンゼルス現代美術館で作品が収蔵されるなど、日本の現代美術の第2世代を代表する一人になった。オークションでの奈良作品の価格は、この5年で5倍近くに跳ね上がっている。

 洋画家の常田健は1928年に旧制弘前中学(弘前高校の前身)を卒業、二科展で活躍し97年に青森県文化賞を受賞した。2000年に死去した。

 陶芸家の高橋一智(かずとも)も、旧制弘前中学卒だ。

 音楽では作詞・作曲家の明本京静、現代音楽の作曲家・下山一二三が卒業している。

 和嶋慎治(ギター)と鈴木研一(ベース)は弘前高校の同級生で、1987年に結成されたロックバンド「人間椅子」の中心メンバーだ。

 ミュージシャン、作詞家、タレントのHAKUEIも弘高OBだ。東海大卒だ。

 映画監督の五十嵐匠、木村文洋もいる。木村は京大在学中から自主映画制作を始めた。青森県を舞台にした六ケ所村核燃料再処理工場に言及した長編作品なども手掛けた。

 『水戸黄門』シリーズ(TBS系列)など、多くのテレビドラマや映画に出演した女優の長内(おさない)美那子が、弘高OGだ。

 俳優、声優の龍波しゅういち、劇団民芸所属の俳優、神敏将(じん・としゆき)がOBだ。

「じろう」は、お笑い芸人でシソンヌのボケ担当だ。弘高を経て関西外大短大卒だ。

 副島萌生(めい)はNHKの女性アナウンサーで、24年4月からは「ニュース7」などに出演している。弘高―慶応大卒で、両親、兄妹、祖父、曽祖父とも医師だ。単発番組の司会役もこなし、NHKの「看板アナ」になりつつある。