ギャップがあるほど印象が悪くなり
世の中が大きく騒ぐ

 不倫が報じられた場合、そのタレントが誰であってもマイナスにしかならないが、イメージダウンの振れ幅には差がある。端的に言えば「不倫」という事象とそのイメージにギャップがあるタレントほど印象が悪くなり、世の中も大きく騒ぐ。

 もっとも致命的なのはやはり「清純派」「清楚」「真面目っぽい」イメージのある女性だ。永野芽郁の場合、10代の頃から知名度があったし、コミカルな演技も自然にこなせる俳優である。このため「明るい」「妹っぽい」「屈託がない」といったイメージが強かった。広告にもそういったイメージでの登用が多かった。

 そこへ来て15歳年上の俳優・田中圭との不倫報道、そして8歳年上の坂口健太郎との交際報道が続いた。「妹」イメージが一転、計算高い印象を抱かせるに至っている。

 個人的には永野芽郁に対して以前から肝の太さというか、「実力派の多い若手俳優の中であっても一歩も引かない確固たる自我」のようなものを感じており、それが彼女の強みだと見ていた。だから不倫や交際報道も正直なところそこまで意外ではなかった。

 広告タレントとしてはしばらく使いづらくなるのかもしれないが、本人はこれを機にこれまでとは違うキャラクターに挑戦することもできるのではないかとも思う。しかしまだしばらく活動が控えられるのだろう。

 不倫が報道された場合、男性よりも女性の方がダメージを受けやすい。例外的なのは東出昌大やアンジャッシュ・渡部建だ。

 東出の場合、元妻・杏の好感度が非常に高く、父・渡辺謙が不倫するなど杏が二世でありながら苦労人だったといった背景から、バッシングが強まった。渡部建については、妻の佐々木希の好感度が高いという以外は、記事の品位を保つためここでは割愛する。

 渡辺謙は現在も国宝級の作品にも出演が続く活躍ぶりであり、不倫報道がキャリアを阻んだようには見えない。これからの時代はわからないが、これまでの時代においては、ある程度のキャリアを確立した男性の俳優にとって不倫は痛手とはなってこなかった。