「大企業への滑り込み」は本当に幸せなのか

――よく理解できたのですが、それだと、Fラン大などから就職する場合、状況は厳しいということなのでしょうか。

びーやま:そんなことはないと思います。今の時代、若い人材は大変貴重ですから、本人が大企業だけに焦点を絞らなければ、優良企業への就職は可能だと思います。

 同時に、転職も盛んな時代ですから、新卒から少しずつキャリアを重ねていって、30代で大企業に転職するなんてことも決して夢物語ではないかなと。

――地に足をつけて頑張ることが大事だということですね。

びーやま:そうです。社会に出てしまえば、学歴よりも「実績」が重視されますから、そこで結果さえ出すことができれば思うようなキャリアを歩むことは可能です。

 加えて、こういった話になるたびに僕が思うのは、「Fラン大などから新卒で大企業に滑り込むことが本当に幸せなのか」という点です。

 大企業や有名企業には信じられないくらい優秀な人がたくさんいます。もっとわかりやすく言えば「東大・京大・早慶」なんて当たり前で、「そのうえで何ができるの?」といった世界です。こういった環境に、下のレベルからいきなり入ってもいい成長曲線は描けないのではないでしょうか。

 当然、チャンスも上の層から順番に降りてきますし、学歴の低い若手はなにかと「体力要員」とみなされがちです。

 そんな環境で貴重な20代を潰してしまうくらいだったら、しっかり自分を評価し、チャンスを与えてくれる会社で、適切に成長していったほうがいいのではないでしょうか。ネームバリューに惹かれる気持ちも本当によくわかりますが、結局どれだけたくさんの経験をできるかが、若手のうちは大事です。その優先順位を見誤らないでほしいなと。

 僕のまわりにも、無名の大学を出て、小さな会社に就職した人はたくさんいますが、そこでしっかり活躍してステップアップするケースもあれば、その会社で活躍を続けるという判断をしたケースもいます。

 どちらにも共通するのは、「今の自分が成長できるのはどの環境か」という視点を持っていることですので、学生の皆さんにもぜひ、こういった視点も持ってもらえたらと思います。

 そのうえで、大企業にこだわるのもまたその人の人生ですから、非常にいいことでしょう。

――本日はありがとうございました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。