
生活用品業界の近年の決算では、花王は好調さを維持する中で、資生堂の不振が目立っていた。“優等生”だったユニ・チャームも前四半期から減収減益が続く。しかもここに来て、増収率は3社ともマイナスに転落した。大手3社が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する。(ダイヤモンド・ライフ編集部 松野友美)
大手3社とも四半期増収率が
マイナスに転落
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の生活用品業界3社。対象期間は2025年4~6月期の四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・花王
増収率:-0.7%(25年12月期第2四半期の累計売上高は8090億円)
・資生堂
増収率:-6.8%(25年12月期第2四半期の累計売上高は4698億円)
・ユニ・チャーム
増収率:-5.9%(25年12月期第2四半期の累計売上高は4642億円)
なお、3社が公表している最新決算では、売上高は前年同期比で花王が2.7%増、資生堂が7.6%減、ユニ・チャームは4.8%減だった。前四半期に続き、花王だけ売上高が前年同期比を上回った。
近年の決算では花王は好調さを維持。資生堂の不振が目立つ中、ユニ・チャームも前四半期から減収減益が続く。そして、本連載で継続してみている増収率は3社ともこのタイミングでマイナスに転落した。各社の状況を次ページ以降で詳しく解説する。