製薬会社4社の直近四半期の決算写真はイメージです Photo:PIXTA

デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、物価高の影響も続く。足元ではトランプ関税も、企業にとって大きな試練となりそうだ。本連載では、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析する。今回は中外製薬や武田薬品工業などの「製薬」業界4社について見ていこう。(ダイヤモンド・ライフ編集部 笠原里穂)

中外製薬、武田薬品工業は減収
第一三共、アステラス製薬は増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の「製薬」業界4社。対象期間は2025年4~6月期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・中外製薬
 増収率:マイナス8.2%(当四半期の売上収益2900億円)

・武田薬品工業
 増収率:マイナス8.4%(当四半期の売上収益1兆1067億円)

・第一三共
 増収率:8.8%(当四半期の売上収益4746億円)

・アステラス製薬
 増収率:6.9%(当四半期の売上収益5058億円)

 今回取り上げた製薬業界の4社では、中外製薬、武田薬品工業が前年同期比で減収、第一三共、アステラス製薬は増収となった。

 本連載では四半期ごとの前年同期比増収率の推移をグラフにまとめているが、これを見ると武田薬品工業は17四半期ぶりの減収となっている。同社が久しぶりの減収となった要因は何だったのか。

 次ページでは、各社の増収率の推移とともに詳しく見ていこう。