地道で根気のいる作業でしたが、私の執念が奇跡を呼び起こしたのです。
151軒目の一軒家の、数年前に撮影されたストリートビューの画像に、私の目が釘付けになりました。その家の玄関前に、見覚えのあるバイクが映り込んでいたのです。ナンバープレートはぼかされていましたが、仲間氏のバイクに酷似していました。
調査対象者の正体
若き実業家のビジネスの行方は
私は調査終了後、すぐさまその一軒家へと向かいました。閑静な住宅街に佇むごく普通の一軒家。その玄関の前にはあのバイクがあったのです。
ナンバープレートを確認すると、仲間氏のナンバーそのものでした。玄関には仲間氏ではない表札が掲げられていました。
私の胸の奥から、達成感からくる熱いものが込み上げました。
すぐに報告書をまとめ辻岡さんに報告しました。
その仲間氏の本名を元に辻岡さんがビジネス仲間に聞き回ってみたところ、過去に新聞沙汰にもなった詐欺事件の首謀者であったことが分かったそうです。刑事罰を受け服役していたことも分かり、ビジネス関係を白紙に戻すという、極めて重要な判断を下す上で、決定的な材料となったのです。
辻岡さんからは「本当によく調べ上げてくださいました。ありがとうございました!」と固い握手と共にお礼の言葉をいただきました。
依頼者が抱える出口の見えない不安や、拭い切れない疑問に対して真実という明確な答えを提供することが探偵の仕事です。
依頼者が次のステップへと、力強く進むための道筋を示すことができることは私にとって誇りです。
今回の調査は、対象者の異常なまでの警戒心の高さ、そして予期せぬ追跡困難という絶体絶命の状況でした。しかし、我々は長年の経験と、決して諦めない執念で真実という一筋の光を掴み取ることができました。
もし、あなたが今、誰にも言えない不安や悩みを抱えているのなら、どうぞ、お気軽にご相談ください。我々が、あなたの「知りたい」に、必ず応えます。
「異常なまでに警戒する対象者の真実を見つけ出す探偵」。点と点が線になる探偵トークでした。
※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、一部を脚色しています。