
フランス・パリに住み始めて一年になるライターの冨田ユウリさん。パリで見た、大流行している意外な「日本の食べ物」とは?(ライター 冨田ユウリ)
パリっ子たちがこぞって食べる
意外な「日本の食べ物」とは?
フランス人が気軽に食べる定番といえば、クロワッサン、バゲット……。フランス人が愛するパンを片手に、街を散歩する――そんな“ザ・パリ”な光景は、もう一昔前のことだといえるかもしれない。いまパリっ子たちがこぞって手に取るものは、「ある日本の食べ物」だ。
たとえばフランス・パリの昼時、オペラ座近くにある専門店にはいつも行列ができる。周辺のオフィスで働く人や学生など、フランス人たちが次々と列に加わり、店を出ると同じものを抱えて去っていく。列が歩道を埋め尽くす光景は、もはやパリの風物詩になりつつある。
地元の常連は「今日もあれを」と足を運び、観光客も「せっかくだから」と並ぶ。皆が夢中になって求めているものは、サンドイッチでもクロワッサンでもない。
公園のベンチで口にする人、メトロの車内で手に持つ人、歩きながら頬張る人……。いまや街のどこを歩いても、その姿を目にしない日はない。気軽に食べられる手軽さに加え、バリエーション豊かな味わい、そして「日本から来た新しいカルチャー」としての話題性も相まって、一大ブームとなっている。
栄養バランスの良さも注目され、子どもから年配層まで幅広く支持を集める。専門店だけでなく、街中のスーパーの棚にも並ぶ。駅のキオスクでも売られ、旅のお供としても定番化している。
SNSでは「パンより軽くていい」「健康的で罪悪感がない」と投稿する人も多く、その人気はますます広がっている。パリの人々を夢中にさせた、「ある日本の食べ物」とは――。