
フランスのパリ在住のライター冨田ユウリさんが、現地で出会った人たちとコミュニケーションする中で気づいた驚愕の事実――それは自分の気持ちや考えを相手にストレートに伝えてくるということ。そして相手にも、同じ熱量の主張を求めてくるということだ。初対面の相手にもフランス人の多くが口にする、「驚きの質問」とは?(ライター 冨田ユウリ)
まっすぐな瞳で見つめながら
常に意見を求めてくるパリの友人たち
フランス・パリに住み始めて一年。少しずつ友人もでき、会話を重ねる中で増えてきたのが「怒られる」ことだ。まだまだ語学力が十分ではない私は、フランス語が聞き取れなくなると、ついついヘラヘラ笑顔でごまかしてしまう。
だが、そういう態度をフランス人の友人の多くは許さない。「何パーセント理解できているのか、ちゃんと言え」「今話していた内容を説明しろ」と、とにかく追及してくる。私のことを思ってのことだとは重々理解しているが、脳が休まらず爆発しそうになることも。
日本に住んでいると、なんとなく疲れているから今日は聞き役に徹しよう~とか、うんうん、そうだねと頷くだけでも会話が成立していた。だが、こちらの友人たちは私に理解と、そして意見を常に求めてくる。
日本ではタブーとされている政治や宗教の話も、日常会話の中でバンバン出てくる。「あなたはどういう考えで、何を信じているの?」日本語でも答えづらい内容をストレートに、まっすぐな瞳で見つめながら尋ねてくるのだ。
職業も年齢もバラバラの人たちと
出会ってわかった驚愕の事実
厳しい友人たちの追及から少し逃れるため、私が始めたのが「Bumble」というアプリ。いわゆる出会い系アプリなのだが、このアプリには友達モードという機能があるため、恋愛目的でなくても純粋に出会いを楽しむことができる。
職業も年齢もバラバラの人とカフェしたり、散歩したり、美術館に行ってみたり。初対面の「はじめまして」を繰り返すうちに、ある事実に驚愕(きょうがく)した。なんと、初対面でも「怒られる」のだ。
たとえば、とあるレストランで料理を注文したとき。