仮に誰もが自分の成果に気づいてくれないとしても、それでも気にしないことです。

「陰徳あれば陽報あり」ということわざもあります。だれに知られなくとも善い行いを積み重ねていれば、そのうちに良い報いが返ってきます。そう信じて、手柄が横取りされても、涼しい顔をしているのがポイントです。

 少し話は変わりますが、謙虚な人が多い会社も、どんどん伸びてゆきます。

 特にトップに立つ人物が謙虚であると、そういう会社は高い業績をあげることも明らかにされているのです。

 中国の北京にある中央財経大学のチャン・ホンユーは、63名のCEO、328名の幹部、645名のミドルマネジャーを対象に謙虚さを測定する心理テストを受けてもらったのですが、CEOが謙虚さのテストで高得点だと、その下にいる幹部やミドルマネジャーもCEOを見習い、非常に好ましい企業風土が生まれ、業績も高くなることがわかりました。

 謙虚であることは、個人にとっても、会社にとっても、大いに利益になるものです。

 もしみなさんが仕事で成果を得たときには、その手柄を快く他の人にも分けるように心がけましょう。

 自分が率先して謙虚な姿勢をとるようにすると、周囲の人たちもそれに感化されますから職場の雰囲気もよくなりますし、会社の業績も高くなりますし、会社の業績が高くなれば、社員全員の給料もアップしますし、良いことづくめだといえるでしょう。

(参考文献)
※1 Henagan, S. C., & Bedeian, A. G.  2009  The perils of success in the workplace: Comparison target responses to coworkers’ upward comparison threat.  Journal of Applied Social Psychology ,39, 2438-2468.
※2 Zhang, H., Ou, A. Y., Tsui, A. S., & Wang, H.  2017  CEO humility, narcissism and firm innovation: A paradox perspective on CEO traits.  Leadership Quarterly ,28, 585-604.