米連邦準備制度理事会(FRB)は9月、雇用市場の停滞を打開するため、利下げを再開した。ただ、少なくとも短期的には、雇用低迷は利下げだけでは解決できない。利下げは需要を押し上げることで景気を支え、特に住宅など金利の動きに敏感な取引に影響を及ぼす。だが多くの企業は需要ではなく、高コストや関税、信用収縮までさまざまなことが問題になっていると述べている。利下げは通常、経済を後押しする手段である株価上昇や住宅ローン金利低下につながるが、それもあまり期待できない状況にある。ジェローム・パウエルFRB議長は、労働市場が「やや奇妙な均衡状態」にあると指摘している。レイオフは極めて低水準にとどまっており、この背景には企業の売り上げが持ちこたえていることがあるとみられる。一方で採用も極めて低水準にあり、結果として雇用の伸びはかろうじてプラスにとどまっている。
米雇用市場の課題、利下げでは解決できない可能性も
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