5年超にわたるリストラは最終章
「跳躍フェーズ」へと移行
石橋氏は、20年3月のCEO就任以降、5年超にわたり事業売却や工場閉鎖といった再編を進めてきた。
特に「多角化」と呼ばれる非タイヤ事業は荒療治を行った。19年度通期決算で、多角化セグメントの売上高は5883億円だったが、営業利益はわずか「1億円」だった。多角化セグメントは売上高に対して2割弱を占めたが、利益貢献は皆無であった。ここにメスを入れた。
21年には、約4000人が携わっていた自動車用シートパッドなどの化成品ソリューション事業を、投資ファンドのエンデバー・ユナイテッドに売却すると発表した。同年、こちらも約4000人が携わっていた防振ゴム事業の中国企業への売却を発表した。
また、グループ会社の整理も進め、25年6月には、ブリヂストン物流を物流大手のSBSホールディングスに売却することを発表した。
こうした一連のリストラ策は「総仕上げ」の段階にきており、国内での希望退職募集を最後に「完了」ということのようなのだ。
ダイヤモンド・オンラインで公開中の特集『ブリヂストン リストラ後の跳躍』内の記事、『【独自】ブリヂストンが国内で「数百人規模の希望退職」を募集!石橋CEOによるリストラ策を一覧にして徹底解明』《完全版》では、石橋CEO自身が、国内での希望退職募集の「理由と位置付け」を語るとともに、並行して国内で水面下で進めている再編の内容も明かしてもらう。跳躍に向けたリストラの全貌を一覧で示し、解明する。