ブリヂストン リストラ後の跳躍#1Photo by Koyo Yamamoto

ブリヂストンが国内の一部社員を対象に、2025年度に数百人規模の希望退職の募集を行ったことが分かった。石橋秀一氏は20年に最高経営責任者(CEO)に就任して以来、数々の事業売却や工場閉鎖などのリストラを断行してきた。特集『ブリヂストン リストラ後の跳躍』の#1では、跳躍に向けたリストラの全貌を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

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石橋CEOによる構造改革が最終フェーズに!
総仕上げとしての国内希望退職の意味とは?

 ブリヂストンの跳躍に向けたリストラは、最終章に入った。

 同社は2025年度に入り、一部の社員に対して、希望退職の募集を行ったことがダイヤモンド編集部の取材で分かった。希望退職の募集は、「ネクストキャリアサポートプログラム」との名称で行われた。

 本プログラムの趣旨について、「従業員のキャリア形成を支援するものであり、早期退職とは趣旨が異なるプログラム」(ブリヂストン広報部)と説明した。また、対象となる社員については、「当社で知見と経験を積み、かつ、一定の年齢、および、勤続年数等の条件を満たす者」とした。こうした文言や他社事例なども踏まえると、50歳以上など一定のキャリアを築いた社員が対象年齢とみられる。

 石橋秀一最高経営責任者(CEO)は、ダイヤモンド編集部の取材に対して、本プログラムの利用者は「数百人のレベル」だと明かした。24年度の有価証券報告書によれば、ブリヂストン単体の従業員は1万4207人だ。希望退職の利用者をどんなに多く見積もっても、全社員の数パーセント程度で大規模な人員削減とはいえない。

 だが、今回の希望退職の募集は、数字以上の意味がある。

 石橋氏は、20年3月のCEO就任以降、5年超にわたり事業売却や工場閉鎖といった再編や再構築を進めてきた。こうした一連のリストラ策は「総仕上げ」の段階にきており、国内での希望退職募集を最後に「完了」ということのようなのだ。

 次ページ以降では、石橋CEO自身が、国内での希望退職募集の「理由と位置付け」を語るとともに、並行して国内で水面下で進めている再編の内容も明かしてもらう。跳躍に向けたリストラの全貌を一覧で示し、解明する。