ウェブメディアコンサルタントの東香名子さんウェブメディアコンサルタントの東香名子さん

心ない言葉を何度も言ってくる人にどう対応すればいいのか。長年、言葉遣いの研究をしている東香名子さんが、相手からの攻撃を止めて、穏やかな距離感を保つための「魔法の一言」を教えてくれた。(ウェブメディアコンサルタント 東 香名子)

心ない言葉を
何度も言ってくる人の心理とは

「どうして、こんなひどいことを言われなきゃいけないんだろう」。誰かの心ない一言で、心が凍りついた経験はありませんか?

 嫌なイジリ方に本当は傷ついているのに、それを隠して笑ってしまう。そして、繰り返される悲劇……どうすれば負のスパイラルから抜け出せるのでしょうか。

 私は、バズる表現の専門家として、自分の思いを正しく伝える方法や、人の心を動かす表現を日々研究しています。その経験から言えるのは、面倒な人間関係の場面でも「感じのいい人」は表現が上手で、人間関係を上手に構築しているということです。

「感じのいい人」は、単なる「いい人」とは違います。「いい人」は、相手に嫌われたくないために、時に自分の気持ちとは正反対のことを言ってしまうこともあります。すると意地悪な相手は「何を言っても大丈夫だ」と認識し、攻撃をエスカレートさせてしまうのです。

 しかし、「感じのいい人」は違います。自分の気持ちを表現できる強さがあります。その言葉はスマートで、人間関係をギクシャクさせません。

 そもそも、なぜ相手は嫌なことを言ってくるのか。

 単純に言葉が不器用な人も少なくありません。相手の気持ちを考えるのが苦手で、意図せず心ない言葉を使ってしまうパターンです。自分では「軽い冗談のつもり」でも、受け取った側は深く傷つくこともあります。

 また、無意識のうちに自分の優位性を確認するために、あなたがどう反応するかを試している場合もあります。