
いちいち気にしないこと。むやみに関わらないこと。いつまでも引きずらないこと――。登録者数74万人を超えるYouTubeのお悩み相談番組『大愚和尚の一問一答』で話題の大愚元勝氏が、新刊『仕事も人間関係もうまくいく離れる力』(三笠書房刊)で、人生をもっと健やかに、快適に生きるための「離れる力」の磨き方を解説。本稿では、同書から一部を抜粋してご紹介します。
人間関係好転のヒントはここにある
「その人の『ありよう』から『やりよう』が出てくる」
これは、私がよく口にする言葉です。
「ありよう」とは、自分の心のありのままの状態。自分が物事をどうとらえ、どういう考えを持っているかを意味します。
「やりよう」とは、その思い・考えに従って行動することです。
ようするに、行動は心を映す鏡で、どんなに巧妙に心を取り繕ったところで、そこに邪な思いがひそんでいれば、それが行動に表れる、ということです。
人は何をいうにも、するにも、つい「どういうふうにやろうか」と方法や手段のことばかり考えがちです。そこからいったん離れて、「なぜ、自分はそれをやるのか、やりたいのか」ということにフォーカスして考えることが先決です。
この「ありよう」と「やりよう」について、私が提供しているYouTube「大愚和尚の一問一答」を例に、もう少し具体的にお話ししましょう。
「一問一答」はおかげさまで登録者数が約74万人を超え、大変なご好評をいただいています。
「なぜ、お坊さんのYouTubeがそんなに人気なの?」とふしぎに思うのか、よく「成功の秘訣を教えてもらえませんか?」と訊かれます。
なかには、「話がちょっと長いので、5分くらいに短くまとめたらどうですか。そのほうが拡散しやすいですよ」といったアドバイスをくださる方もいます。つまり「やりようを変えれば、もっとうまくいくよ」とおっしゃりたいのでしょう。
けれどもそういう「やりよう」は、私の「ありよう」に反します。