けれども淡交一辺倒では、どうしても「一致団結して、力強く推進する」力が出にくくなります。互いの距離がやや遠くなるせいか、忌憚のない意見をぶつけ合ったり、互いの力を補完し合ったりするのに、つい遠慮が出てしまうのです。
ですから、同じ目標に向かって協調してやっていくときには、互いの「距離を縮める」ことが大事です。
「頭はクールに、ハートは温かく」を合言葉にしたい
といっても「公私の別なく親しくべったりつきあう」必要はありません。ポイントは二つあります。
一つは、頭は冷静に保ち、自分たちが得たい結果をクールに見定めることです。
とくに頭のいい人は、パソコンにたとえるならCPUの性能が高いといいますか、思考の回転スピードが非常に速いので、ヒートアップしがち。そのせいで先走ったり、周りが見えなくなったりして、判断を誤ることもしばしばでしょう。意識して頭をクールダウンさせる必要があります。
二つ目は、ハートは温厚に、を心がけることです。
スタッフみんなと誠実につきあい、穏やかな人間関係を築く。と同時に、情熱的に仕事に取り組み、心を一つにする。それができれば、だいたいの仕事はうまくいきます。仕事に対して関係者みんなが同じ熱量で取り組むことが大事なのです。
イメージ的には、「熱量で人間関係の距離を縮める」という感じです。仕事だからとあんまり淡泊に接していると、人間関係が少々よそよそしいものになり、仕事に取り組む熱量が全体的に下がってしまう危険があるのです。
仕事だけではありません。家庭だって、地域の活動だって、趣味などのサークル活動だって、複数の人で何か一つのことに取り組む場合は、「熱意の温度差」は小さいほうがいいでしょう。同じ時間を共有するなら、お互い、「この人といっしょに成し遂げたい」と思える関係であることが大事です。
「頭はクールに、ハートは温かく」
ぜひ、これを合言葉に、互いに距離を置きながらも、熱い心で結びついている、そんないい人間関係を築いていきましょう。