「双方ハッピー」をとことん追求する何事につけ、「損得勘定」をすることは、ビジネスでは大切だ。ただし「自分」にだけ限定すると、話は違ってくる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

いちいち気にしないこと。むやみに関わらないこと。いつまでも引きずらないこと――。登録者数74万人を超えるYouTubeのお悩み相談番組『大愚和尚の一問一答』で話題の大愚元勝氏が、新刊『仕事も人間関係もうまくいく離れる力』(三笠書房刊)で、人生をもっと健やかに、快適に生きるための「離れる力」の磨き方を解説。本稿では、同書から一部を抜粋してご紹介します。

「やるだけやったら、あとはお任せ」がいい

 ボウリングをして遊ぶときのことを思い出してください。

 ピンに狙いをつけて投げたあと、みなさん、ボールの行方を追いながら念じます。

「もっと右、右……」
「このまままっすぐ、まっすぐ……」
「ちょっと左に、左に……」

 というふうに、狙い通りに進まないボールに向かって、あたかも自力で進路を変えることができるかのように。

 投げたあとでいくらボールにお願いしても、進路を変えるのは不可能です。そんなことはわかり切っているのに、念じてしまう。そこがまた、ボウリングのおもしろいところ。手が離れたあとの距離が長い分、プレイする楽しみが増すようです。

 それはさておき、プロのボウリング選手を観察していると、わかることがあります。それは、

「プロボウラーは投げたあとのボールを見ない」

 ということです。