40代で100億の財を成した「蓄財の神様」が教えてくれた、苦しみを生む消費生活からの脱却法【現役僧侶が語る】人は、それほど多くを持たなくても幸せに生きていける。幸せにとって一番大事なのは、自分の内側にある能力や感性、思いやりなどにより紡がれる「心の豊かさ」だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

いちいち気にしないこと。むやみに関わらないこと。いつまでも引きずらないこと――。登録者数74万人を超えるYouTubeのお悩み相談番組『大愚和尚の一問一答』で話題の大愚元勝氏が、新刊『仕事も人間関係もうまくいく離れる力』(三笠書房刊)で、人生をもっと健やかに、快適に生きるための「離れる力」の磨き方を解説。本稿では、同書から一部を抜粋してご紹介します。

自分の「外側」に幸せを探し回らない

 幸福感は何によってもたらされるでしょうか。

 多くの人は「経済的な豊かさ」や「物質的な豊かさ」、あるいは「境遇や社会的地位などに恵まれていること」と結びつけてとらえているようです。

 たとえば都会の一等地にある大きな家に住む、ぜいたくな食事をする、高級ブランドのものを身につける、お金に糸目をつけずに欲しい物が手に入る、いわゆる名家に生まれ育つ、一流企業に勤めている……。

 この種の豊かさはどれも自分の「外側」を飾るものばかりです。けれども、これら“外側の飾り物”がたくさんあればあるほど幸福感が大きくなるかというと、話は別。それは虚栄心がつくりあげた「幸せの幻想」でしかありません。

 もし「“外側の飾り物”がなければ幸せに生きていけない」と信じているなら、いますぐその“幸せの幻想”を手放しましょう。

 人は、それほど多くを持たなくても幸せに生きていけます。幸せにとって一番大事なのは、自分の内側にある能力や感性、思いやりなどにより紡がれる「心の豊かさ」なのです。