日本は学歴社会ではない?

――なるほど。ただ、そう思いたくなる気持ちもわかるというか、今の時代は低学歴に対する風当たりは強くないですか?

びーやま:気持ちはわかりますが、どこかでは本人が乗り越えなければいけないことかなと僕は思います。

 実際に低学歴でも社会で活躍している人はたくさんいるわけで、自分もそうなれるチャンスがあるのにもかかわらず、諦めるのはもったいないなと。

 加えて、どんな大学だろうが、「大卒」であることのメリットは大きいわけで、それを使いこなしたほうがいいと僕は思います。

――なるほど。マイナス要素よりプラス要素を考えたほうがいいということですね。

びーやま:まさしくです。

 よく日本は学歴社会だと言われますが、世界はもっと学歴社会です。アメリカは大学名で判断されることはないものの、どの学位を持っているかで年収が大きく変わってきます。アメリカ国立科学財団の調査(※1)によると、アメリカでは大卒の年収の中央値は606万円ですが、博士号まで取得すれば年収の中央値は1530万円まで跳ね上がります(2025年3月時点のレート)。

 対して、日本の年収を見てみると厚生労働省の調査(※2)によれば、大卒の年収は約369万円、大学院卒の年収は約476万円となっており、アメリカほど学位による差はついていません。修士号と博士号で多少事情は変わってくることもあるかと思いますが、アメリカほどの差はつかないでしょう。いずれにしても、「学位」による差は非常に大きいと言えます。

 加えて、中国では学歴社会が強すぎる影響で、政府によって営利目的の予備校が禁止されてしまいました。これは、「いい大学に入らないと、いい会社に入れない」という考えがあまりにも過熱化し、病んでしまう学生が急増してしまったからです。

 もちろん現在でも個人の範囲で家庭教師などに勉強を見てもらうことはありますが、中国政府としては暴走する大学受験に歯止めをかけたかったのでしょう。

 これに比べたら、日本の学歴なんてものはあってないようなものなわけですから、頑張ってほしいと思います。

 僕が思うに、日本はとにかく実力社会です。結果を出す人にはかなり優しくできていますから、諦めず頑張ってほしいと思います。

――ありがとうございます。大変勉強になりました。

※1 アメリカ国立科学財団『Survey of Earned Doctorates (SED)2023』
※2 厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』
びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。