ご飯を食べない愛犬…ダメ元で皿を“たった3歩”ずらしたら起きた衝撃の結末
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
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変化し続けるということ
今日は、「変化し続ける」ということについてお話しします。人は何か理由がないと変化できない、と考えがちではないでしょうか。しかし、明確な理由がなくても、まず変化し続けてみることが大切です。
例えば、不要なものを手放したり、新しいことに挑戦してみたり。あるいは、なんとなく優先順位を決めてみることでも、物事は変わり始めます。意味もなく変わろうとすることも、私は良いことだと考えています。
愛犬の気まぐれが教えてくれたこと
私の愛犬である柴犬の「トミくん」は少し気まぐれな性格で、時々ごはんを食べないことがあります。
以前は、食べないとなんとか食べさせようと工夫していました。しかし、そうすると「食べずにいれば、もっと良いことが起きる」と学習してしまい、しつけ上あまり良くないと考えました。そこで今では、もし食べないのであれば一度ごはんを下げ、次の食事の時間まで待たせるというルールにしています。そうすると、お腹が空くので次のごはんをしっかり食べるようになり、このおかげで普段はよく食べる子になりました。
しかし今日、トミくんは気まぐれからか、またごはんを食べなくなってしまいました。いつものルール通りであれば、少ししか食べていなくてもお皿を下げ、夕食まで我慢させることになります。ですが、その時ふと思い立ち、ごはんを食べる場所を少しだけ移動させてみました。
いつもと同じ部屋の、ほんの3歩ほどずらしただけの場所です。すると、驚いたことにガツガツと食べ始めたのです。
「なんとなく」の変化がもたらす発見
トミくんは、明確な理由があって食べなくなり、場所を変えたから食べた、というわけではないでしょう。「とりあえず場所を変えてみたら、気分が変わり食欲が出た」、ただそれだけのことなのだと思います。
状況は何も変わっていませんし、もしごはんの種類を変えるのであれば、それは「理由のある変化」です。しかし、場所を3歩ずらしたということに、深い理由はないでしょう。ほんの少し変化を与えてみたことが、たまたま良い結果につながったのだと思います。
マンネリを打破
新たな可能性を見つける力
この出来事から、人は何かを変えるときに理由を求めがちですが、そうではなく、常に変化し続けることで、何か良いものを見つけられる可能性があるのではないかと感じたのです。
変化がなければ、物事はマンネリ化してしまいます。一度ピークに達すると、そこから変化がなくなり、次第に尻すぼみになっていくのは、あらゆる物事における自然な流れです。だからこそ、常に変化していくこと、とりあえず変えてみることが重要になります。
そうすることで、思いがけない発見や良い変化を得られることがあるのです。もちろん、うまくいっているものを無理に変える必要はありません。しかし、「特に問題はないけれど、なんとなく変えてみよう」という気軽な気持ちもまた、大切なのではないでしょうか。
常に「変化してみよう」と意識するだけで、思いがけず良いことが起きるのではないかと思います。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。








