「韓国語を覚えたい!」と思って勉強し始めても、気がつけば机から離れてしまう。単語帳や文法書を買っても全然続かなくて、積読になってしまう人も多い。「学ぶのに必要なのは、意志の力ではなく、むしろ明確な目標」と語るのが、書籍『ゼロからわかる! 楽しく続けられる! 韓国語1年生』の著者・ハングルノート加藤氏だ。今回は、ハングルノート加藤氏に語学の勉強を続けられる人と挫折してしまう人の違い、そして楽しく学習を続けるためのマインドセットについて話を聞いた。(構成:照宮遼子)

韓国語が得意になる人と挫折する人の「ほんの少しの差」とは?Photo: Adobe Stock

学習を続けられる人が「共通して持っているもの」とは?

――語学学習は、続けられる人と続けられない人がいますよね。ご自身の経験や周りを見て感じたことを教えてください。

ハングルノート加藤(以下、加藤):「自分がいつ・どうなりたいか」を明確に決めている人は勉強がつらくても続けられている人が多いように思います。

僕自身は、最初の7、8年くらいは明確な目標を立てずに、なんとなく生活をしていたんです。だからそういう時期は勉強もあまり進みませんでした。

でも、目標を決めた途端、集中して継続的に勉強できるようになりました。うまくいかない時期があっても、「あ、やらなきゃ」という気持ちが出てくるんですよね。

――目標があると、歩みが遅くても止まらずに続けていけるわけですね。

加藤:そうですね。それから大きいのは「好きかどうか」ですね。

言語そのものが好きというのもありますが、韓国が好きとか、K-POPが好きとか、何かに強く惹かれている人ほど、やっぱり挫折しにくい気がします。

勉強が止まる人と続く人の分かれ道

――勉強をすぐやめてしまう人にはどんな特徴があると思いますか。

加藤:やっぱり、さっき話したことの裏返しになりますが、「目標がない」「好きじゃない」というのが一番大きいと思います。

なんとなく「韓国語が話せたらいいな」くらいの気持ちだと、難しいポイントに来ると、どうしても勉強を続ける理由が弱くなってしまって、途中で止まりやすくなってしまうんです。

逆に、はっきりした目標や強い好きがある人は、ちょっとつまずいてもまた戻ってくることができるんです。

――確かに「なんとなく」では続かないですね。

加藤:日本で日常生活をおくるぶんには、韓国語ができなくてもまったく困らないですよね。だから結局、必要性を感じられずに、途中で辞めてしまう人が多いのかなと思います。

「こうなりたい」を思い描く力が、続ける力に変わる

――「目標」や「好き」という気持ちがとても大事なんですね。

加藤:そうなんです。結局は「自分がどう生きたいか」につながると思います。将来どんなふうに過ごしたいのか、その中で「韓国語を話せるようになったら、こういうことができる」というイメージを、どれだけ具体的に描けるかどうかが大事だと思います。

――ただ勉強するのではなく、その先の姿を思い浮かべられるかがポイントなんですね。

加藤:そうですね。本でも書きましたが、具体的なイメージがあればあるほど、それがそのまま続ける理由になるんです。具体的に「こうなりたい」という思いが、「勉強する力」になるわけです。

目標が行動を変える、韓国語学習を続けるためのマインドセット

――語学学習は勉強のテクニックよりも「マインドの持ち方」がカギだと改めて思いました。

加藤:そうですね。僕自身も「こうなりたい」という姿をはっきり思い描けるようになってから、行動が変わりました。目標を決めれば自然とやることも決まってきて、続けやすくなると思います。

――具体的なイメージがあれば、勉強のモチベーションをキープできそうです。

加藤:そうなんです。やっぱりイメージがないと続けるのは大変なんですよね。そういうわけで『韓国語1年生』では、勉強以前の目標の立て方や心構えについて丁寧に書いています。

勉強の仕方がわからない人ややる気が続かなくて悩んでいる人にも、「自分もできそうだ」と気軽に手に取ってもらえたら嬉しいですね。

(本稿はゼロからわかる! 楽しく続けられる! 韓国語1年生に関する書き下ろし特別投稿です)

ハングルノート加藤
韓国語ブログ「ハングルノート」管理人

1985年、愛知県生まれ。27歳のときに、韓国人女性と付き合い始めたことをきっかけに、韓国語の勉強を始める。最初の数年は、韓国語自体にさほど興味を持てず、韓国語がまったく身につかなかった。30歳のときに、ワーキングホリデーを利用して韓国国内の企業で就業(日本語で勤務)。32歳でWeb制作会社を起業。本格的に韓国語を学びたいと思い、35歳で韓国へ語学留学。梨花女子大学校、ソウル市立大学校、西江大学校で修学。37歳のときに、西江大学校語学堂6級を卒業。自身の勉強のメモ帳がわりにつくり始めたブログ「ハングルノート」は、開始8年で月間最大180万PV、60万UUを突破。「勉強のポイントがわかりやすい」「韓国のことがよくわかる」と評判に。韓国旅行YouTuberとしても活動し、人気を集めている。